綾紫の閑散日記
2010年3月1日〜3月15日

 
奈良県立大も
2010年3月15日(月)
Infoseek
今日は曇後雨。最近、iPS細胞から腸を成長させる事に成功した奈良県立医大だけでなく、奈良県立大も高山第2工区へ移転する候補になっている。

読売(osaka.yomiuri.co.jp/university/topics/20100310-OYO8T00368.htm)は県立大の改革方針を報じている。その概要は
  • 中国や韓国など東アジアの大学との連携を進め、将来的には、県内に誘致する複数の大学に学校施設を提供、一体的に管理·運営を行う「ネットワーク型大学」を目指す。
と云った所で、前半の連携は今、多くの大学や研究機関が目指している事だが、後半のネットワーク型とは要するに、高山第2工区に於いて奈良県立大を、複数の大学が設備を共有出来る施設として位置付け、全体としてコストダウンを図る、と云う意味に受け取れる。記事に
  • また、高山第2工区への移転も視野に、誘致した複数の大学が県立大の施設を利用して講義を実施。留学生や教員向けの居住施設も確保して管理·運営することで、中核的な大学拠点(ハブ)機能を担う。荒井知事は「実現すれば、先進的な取り組みになる」としている。
とあるからだ。だがお膝元の県立医大の移転さえ揺れているのに、しかも少子化の影響で都心回帰を目指すのが今の風潮なのに、どうだろう。12のけいはんな地区の中で最も街らしいのは平城ニュータウンを継承した平城·相楽地区である。精華·西木津地区も近鉄けいはんな線の開通で一気にニュータウンらしくなった。一方、けいはんな線の恩恵を同様に受けている筈の高山地区は閑散としたままである。ましてこれから開発が進む見込みの第2工区へ本当に来る可能性があるのだろうか、疑問だ。
 
 
京都フラワーセンター解散へ
2010年3月11日(木)
Infoseek
今日は晴。ここ最近の筆者の日記は、私のしごと館に始まるけいはんな地区の動向日記になっている。

京都新聞(www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P20100310000025&genre=A2&area=K00)は3/10付けで京都フラワーセンターの解散を報じている。3/1の日記でも触れた事だが、花空間けいはんなの閉園に伴い、運営して来た同センターも廃止となる模様である。花空間けいはんなは1986年開園なので、けいはんな地区の団体·施設としては古参組である。今後は府立大の施設として活用されるとあるが、大雑把に云えば府の中で横滑りしたに過ぎない。研究目的の競争的資金で運営出来る可能性でもあるのだろうか。
 
 
高山地区の話題
2010年3月10日(水)
Infoseek
今日は雨後晴。ここずっと寒い日が続く。けいはんな地区の1つ、奈良県生駒市の北部、高山地区の話題を続ける。
 
先ず読売から(www.yomiuri.co.jp/e-japan/nara/feature/nara1263393124331_02/news/20100115-OYT8T01408.htm)。高山地区の造成が検討されている部分は第2工区と称するらしいが、その現在迄の経緯が載っている。
  • 1994年、市と県、住宅·都市整備公団(現·独立行政法人都市再生機構=UR)の3者が、約2万3000人の人口増を見込んで、開発計画の基本協定を締結。
けいはんな地区の開発は1978年9月の「関西学術研究都市調査懇談会」発足を以って始まるとされる場合が多いが(実際には平城ニュータウンの開発や京都財界の河野卓男構想が先行)、この高山第2工区に関する検討は1994年に始まった様子だ。当時、既に奈良先端大は出来ていた。
  • 公団は、全体の約6割にあたる約160ヘクタールを625億円で買収したが、不況や少子化の影響で、南半分から段階的に開発することを検討。
早速、事実上の計画縮小だ。
  • 2003年には、準絶滅危惧(きぐ)種·オオタカの生息が確認され、営巣地を中心に約20ヘクタールを保全エリアに計画変更した。
自然保護の問題も絡み始めた。
  • 06年、開発への協力の白紙撤回を公約に掲げた山下真市長(41)の就任などを受け、公団の後を引き継ぐURが07年、事業中止を決定。
最近の若い自治体の首長はおしなべて行革派である。2006年は郵政選挙の記憶も未だ新しく、行革を善とする意見が強かった。結局、第2工区構想も12年で頓挫したかに見えた。
  • だが、県が示した大学や福祉施設、研究開発型産業を中心とした計画見直しに、山下市長が開発促進へと方針転換し、3者がプロジェクトチームを発足させた。
  • 県は昨年、手狭な県立医大(橿原市)の教育部門の移設先候補に、第2区を挙げ、山下市長は「環境に配慮しながらの開発なら協力したい」と積極的な姿勢をみせている。
謎はこの点である。第1点として2万3000人のニュータウンは無理だが、大学その他の施設の誘致ならば可能であるとする根拠が不明瞭である。仮に県立医大が手狭になっているとしても、移転候補地はいくらでもある。それに出典は忘れたが、けいはんな精華·西木津地区では逆向きの用途変更を行っている。第2点として山下市長の真意は何なのか。"積極的な姿勢"とあるが、本当に変節したのか。人間、特に権力者は必ずしも姿勢で真意を表現するとは限らないのだが。
 
次も読売(osaka.yomiuri.co.jp/university/topics/20100305-OYO8T00455.htm)。前述の第2の疑問に対するヒントがある。
  • 高山第2工区(奈良県生駒市)の開発事業をめぐり、生駒市の山下真市長が「県立大や県立医科大、首都圏の有名私大の誘致がかなわなければ、協力は難しい」と発言したことに対し、荒井知事は3日の定例記者会見で「今まで聞いたことのない高いハードルで、事業を推進していく意欲が市長にあるのか疑問だ。市長が考えを改めない限り、第2工区の進展は困難」と苦言を呈した。
となっている箇所。山下市長は大学誘致が叶わなければ協力しないと発言しているが、敢えて無理を云って婉曲的に撤退の意思を表明したのではなかろうか。更にもっと勘繰れば、上述の「県の見直し」もどうせ頓挫すると見通して敢えて乗った可能性もある。それにしても首都圏の有名私大とは何処だろうか。昨今の街中回帰の傾向からすれば、例えば梅田駅北の再開発中のビルにサテライトオフィスの形で来る可能性はあっても、少子化が予想される現在、新興学研都市にわざわざ金を捨てに来るとは思えない。
 
 
京都新聞より3件/高山地区の話題
2010年3月9日(火)
Infoseek
今日は雨。京都新聞からけいはんな関連の話題(+α)、それから奈良県生駒市の北部、高山地区の話題もを取り上げる。
 
先ずwww.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P20100302000025&genre=B1&area=K00から。京都府の中小企業技術センターが、けいはんなプラザも含む4箇所にTV会議システムを導入する。その特徴は以下の様な点だろうか。
  • 液晶モニターやカメラなどで構成するテレビ会議システムで、ハイビジョン映像とカメラのズーム機能で機械部品や織物の不良部位などを詳細に映し出せるため、拠点間での細かい技術相談も可能になるという。
地域の中小企業にとっては有り難い施設かもしれない。TV会議の発想は昔からあり、けいはんな地区でもいろんな遠隔共同作業の実証実験をやっていた。筆者もけいはんな地区ではないのだが、学術的な会議でとある企業のTV会議システムのある役員室を使わせてもらった事がある。だが当時のTV会議システムの能力は低く、遠隔講義等に使える代物ではないと聞かされていた。10年前の事だった。現代のTV会議システムが本当に「機械部品や織物」の技術相談にも使えるならば、これは地味だが大きな進歩である。
 
次はwww.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P20100308000047&genre=K1&area=K20。イベントの話題。第26回国民文化祭が来年秋から予定されており、けいはんなプラザでプレイベント「よっしゃ!ココカラ」が7日にあった様子である。だが、けいはんなプラザのイベント情報にはあるとしても、どうも地味な印象は拭えない。
 
3番目、京都新聞としての今日の最後はwww.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P20100309000160&genre=B1&area=K00。イオンモールが京都駅南側に進出する。京都市内で3ヶ所目とは意外と少ない印象だが、「イオンモール」と「ジャスコ」や「サティ」は違うのかもしれない。だがそれにしても、破綻した施設の運営に乗り出す点は、長年、合併を繰り返して成長して来たイオンらしいやり方である。
 
またけいはんな関連の話題に戻る。けいはんなと云うとどうしても京都府域(京田辺市·木津川市·精華町)だけを連想しがちだが、大阪府·奈良県にもけいはんなと称する地区はある。生駒市北端の高山地区もその一角。現在奈良先端大を初めとする4施設が存在するが、上に挙げた産経msn記事(sankei.jp.msn.com/region/kinki/nara/080705/nar0807050225001-n1.htm)は2008年7月段階に於いて奈良県が、県立大·県立医大を誘致したい意向を明らかにた事に触れている。それにしても奈良女子大、奈良教育大、そして首都圏や海外の大学とは実に壮大な発想だ。
 
だがその後の進捗ははかばかしくない。毎日の最近の記事を2件(mainichi.jp/area/nara/news/20100219ddlk29010508000c.html及びmainichi.jp/area/nara/news/20100304ddlk29010493000c.html、それぞれ2/19及び3/4)を挙げる。2/19版だが、
  • 生駒市の学研高山第2工区(約288ヘクタール)の開発計画を巡り、県は18日、事業認可に向けた調査に着手する時期の判断を来年度に先送りしたと発表。
とある。認可の調査時期の先送りとは如何にも遠回しな官僚表現だが、損失が発生した場合の金の問題で奈良県と(独)都市再生機構との話し合いがまとまらなかった為、事実上、開発を凍結するとの意思表示か。その上、
  • 県は昨年10月、県立医大を学研高山第2工区へ移転する構想を発表したが、橿原市議会などが反発。その後、県農業総合センター(橿原市)跡地なども移転先として浮上した。
とある。そもそもけいはんな地区に限った話ではないが、研究·産業向けの地域は開発過剰な状況にある。それは例えば私のしごと館と国立国会図書館の間に広大な空き地が眠っている事実が示唆する所でもある。その一方、けいはんな地区では同志社大学がそうである様に、最近の大学はおしなべて街中指向である。結局、誘致は来る側の意思に強く左右される。従って3/4版の
  • 生駒市の学研高山第2工区の開発計画を巡り、山下真市長が「県立医大か有名私立大が誘致できなければ事業に協力するのは難しい」と発言。
と云う生駒市市長の発言は至極尤もと思われるのに対し、
  • 荒井知事は御所市の工場団地造成計画を引き合いに出し、「御所市長は協力的で、シャープや松下が来ないから造らないと言うことではない。大学は工場誘致より難しく、山下市長の意欲に疑問を持たざるを得ない。高山第2工区にこだわらず、(大学を)誘致することも考えざるを得ない」と不快感を示した。
と云う奈良県知事の発言は却って無責任に感じざるを得ない。企業が来る可能性が見えていないのに造成だけを進めるのが望ましい行政だろうか。その上、慎重論(と筆者には見える意見)を発したのも記事の日付では県が先である。将来的に研究·産業用地の需要が増える事が予想され、不況不況と騒がれる今の内に先行開発するのが得なのか、損切りの意味で中止が得なのか、ケインズ的な発想に囚われず真面目に考えるべきだ。
 
 
閉館直前の賑わい/花空間けいはんな
2010年3月1日(月)
Infoseek
今日は曇後雨。私のしごと館の話題を取り上げる。

京都新聞(www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P20100227000092&genre=C4&area=K00)は2/27日付で、閉館が1ヵ月後に迫る中、駆け込み予約が殺到している事を報じている。

私のしごと館は、青少年の職業意識を啓発する疑似体験施設として2003年、雇用·能力開発機構の手により580億の建設費を掛けてオープン。その後、行政改革の一環として2008年9月に公設民営の様な形で再スタート。12月には契約の期限である今年8月迄に廃止する事が閣議決定。昨年11月には費用捻出の為、今年3月一杯で廃止する事が決定。研究施設、教育施設、データセンターとしてならば有効活用の可能性があるとする厚生労働省の報告書が2009年12月に出ているが、具体的な活用案は何も決まっていない。

京都新聞の記事には、
  • 30日前から7日前まで予約を受け付けているが、2月と3月分は予約開始日から申し込みの電話が殺到している。2月21日の開催分は、用意した24職種のうち、フラワーアレンジメントなど16職種が予約で満員になり、残る職種も当日にほとんど埋まった。
  • しごと館は「ゴールデンウイークや夏休み以外で、これだけにぎわうのは初めてでは」と話す。
  • 3月7日から開催する過去の人気体験メニューのアンコール特集も、当日受け付け分を除き初日で完売した。
とあるのでなかなか盛況である。私のしごと館は元々、社会科見学で来る団体客を想定した施設だ。だから廃止の話が出て以降、団体予約が激減し、収支が悪化している事を実際に運営している(株)コングレも認めている。だが個人客で本当に賑わっているのであれば、土曜日も開館してはどうだろうか。興味深いのは
  • 小学2年の長女と来館した神戸市北区、会社員河野研一さん(38)は······「子どもたちに、いろんな仕事があることを伝えられる施設なのに、なぜ存続できないのか疑問。閉館までにまた訪れたい」と話していた。
と云う証言。これ迄、私のしごと館はとても不便な所にあるから、閑散としている、とされて来た。確かにけいはんな精華·西木津地区は90年代迄は陸の孤島だったが、2000年代に入り精華大通りや山手幹線等の道路網の整備によりそこそこ便利な場所になった。そして2006年の近鉄けいはんな線、2009年の阪神なんば線の開通。地域住民とは云い難い神戸市民も、キッザニア甲子園の存在は知っているではあろうが、躊躇無く来る様子である。

但し、私のしごと館が関西全域を相手に出来る施設に出世したかどうか、で云えばそうではない。盛況振りを報じているのは京都新聞だけだからである。

なお筆者もある時期、けいはんな精華·西木津地区に通勤しており、バスの窓から巨大な総合病院か何かが建設されている様子を毎日眺めていた。これが私のしごと館だったが、結局1度も訪ねてはいない。

けいはんな地区の話題をついでにもう1つ。読売新聞(osaka.yomiuri.co.jp/university/research/20100217-OYO8T00492.htm)は2/17付で

  • 多額の累積赤字を抱え、今年度から京都府農林水産技術センターの一部となった旧「花空間けいはんな」(精華町)について、府は16日、来年度以降に府立大の研究施設として活用する方針を示した。
と報じている。府から府へ、横滑りと云えばその通りだが、研究施設として位置付ける事で運営上、例えば競争的資金獲得の様な有利な点が出て来るのだろうか。