綾紫の閑散日記
2010年3月18日〜3月31日

 
私のしごと館今日廃止
2010年3月31日(水)
Infoseek
今日は晴。ここ数日寒かったが、少しましになった。今日、廃止となったけいはんな地区の施設の1つ、私のしごと館の話題を取り上げる。

 

先ずこの2枚。私のしごと館廃止前、即ち数日前と今日夜のトップページ(www.shigotokan.jp)である。廃止直前迄、様々な情報が載っていたが、一挙に消えた。さすがに民間委託となると仕事が速い。

 

47ニュース(www.47news.jp/CN/201003/CN2010033001000035.html及びwww.47news.jp/CN/201003/CN2010033101000869.html)も報じているが、気になるのは2番目の記事の
  • 施設は夏にも入札により売却予定。先行きは不透明で、京都府は入札が不調に終わった場合、研究施設としての建物活用策などを国に働き掛ける方針。
と云う箇所。今の時代、売却は困難であり、不調に終わる可能性も高い。私のしごと館周辺にも空き地が広がっている為だ。となると研究施設としての活用を国に働き掛けるとあるが、誘致には土地の無償提供等、有利な条件を示す事が必須である。そうした事が国の立場で柔軟に出来るのか否かが問題である。

 

毎日新聞(mainichi.jp/kansai/news/20100331k0000e040039000c.html及びmainichi.jp/select/wadai/news/20100331dde041040068000c.html)も報じている。詳しいのは1番目だが、
  • この日の開館前には家族連れら約200人が列を作り、オープンからわずか7年で幕を閉じる同館の最後を惜しんだ。
  • 孫4人と訪れた大阪府吹田市の村田深雪さん(63)は「ここまで立派な施設だとは思わずに驚いている。今後の利用方法が決まらない段階で閉館を決めてしまうのはもったいない」と話した。孫の来実(くるみ)さん(7)は「いろんな体験ができると聞き、楽しみ。消防士の活動体験をしてみたい」と話していた。
とあるので駆け込み的な人気は結構、盛り上がっていたのだろう。但し7才の子供もインタビューに応じているが、年齢制限が意外と多く、小さい子供の遊び場になれない事は課題視されなかったのだろうか。

 

最後に、一番詳しそうなMSN産経(sankei.jp.msn.com/economy/business/100330/biz1003301232010-n1.htm及びhttp://sankei.jp.msn.com/economy/business/100330/biz1003301232010-n2.htm)を取り上げる。
  • 「税金の無駄遣いの象徴」といわれた関西文化学術研究都市の職業体験施設「私のしごと館」(京都府精華町、木津川市)が31日に閉館する。
とあるが、これは不正確。税金の無駄遣いの象徴扱いされた事は事実だったかもしれないが、実際には雇用保険の無駄遣いだった。筆者は、税金ならまだしも、雇用保険を費やすにはそれなりの法的根拠が必要だが、この点で逸脱があった、つまりずっと悪質だと考えている。
  • 所管する厚生労働省は今夏にも入札を行って建物を売却する方針だが、景気が低迷する中で甲子園球場の総面積に匹敵する施設の引き受け先が見つかるかどうかは不透明。
引き受け先が見つかるかどうか不透明、とあるが、はっきり云えば今の処、皆無。けいはんな地区の最近の発展は、中小企業を念頭に置き、生産機能も有する複合型の研究施設を規制緩和により誘致し始めた政策に負う処が大きい。従って商業施設は無理でも小分けにしてベンチャービレッジや津田サイエンスヒルズ並の規制緩和をやれば、売れる可能性は残っている。住宅地への転用も良い。
  • 地元では「国が廃止を決めた以上、最後まで責任を持ってしてほしい」との声は根強く、京都府などは入札の動向を見ながら政府に再利用を検討するよう働きかけていく方針だ。
上述の47ニュースと同じ話だが、国による再利用も難しいのではないか。今時、唯一来てくれる望みがあるのは京大の附属農場の様に、遺跡が出て立ち退かざるを得なくなった施設であろう。遺跡となると奈良県は遺跡の宝庫だが、県は高山地区の開発の意欲を完全に捨ててはいない。もし開発にゴーサインが出れば、公的セクター同士の無駄な競争が始まる。

 

最後にMSN産経の写真(sankei.jp.msn.com/photos/economy/business/100330/biz1003301232010-p1.jpg)。南南東の方角から空撮した様である。上がほぼ北。私のしごと館の北西に見える空き地の様な処はけいはんな記念公園。その東(右)にはマンションがある。一方、私のしごと館の西隣は更地。大阪ガス所有らしいが、10年以上更地のままだ。東の道路は京奈和道。まだ完全には伸びていないが、インターチェンジから近い点が、商業施設の中でも商圏の広いアウトレットモールならば適性があるとされた理由である。
 
 
相楽木綿
2010年3月24日(水)
Infoseek
今日は雨。私のしごと館の話題を取り上げる。
 
京都新聞(www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P20100324000069&genre=M1&area=K20)は私のしごと館で開催されている相楽絣の展示会に触れている。相楽木綿の会が主催。相楽木綿の会は私のしごと館を拠点として活動して来たが、閉館に伴い5/2以降、けいはんな記念公園に移る。それにしてもけいはんな地区は関西文化学術研究都市と称しつつ、「文化」を標榜している。相楽木綿も伝統文化の1つだ。
 
ここで最近考えた唄がある。「太郎さんの赤ちゃんが〜」「まぁるい緑の山手線〜」の曲に合わせてある。なお「おやくしごとかん」は架空の施設だ。
 
ふたつの みやこに はさまれた
とっても ふべんな やまのおく
しつぎょう ほけんを ばらまいて
できぃた おやくしょ しごとかん

みんなが だぁれも こないから
くものす ごきぶり かんこどり
きつねや たぬきも すんでいる
むだぁな おやくしょ しごとかん
 
 
私のしごと館
2010年3月22日(月)
Infoseek
今日は晴。私のしごと館の話題を取り上げる。
 
Infoseekニュース(news.www.infoseek.co.jp/topics/society/n_mhlw__20100322_3/story/21gendainet02045053/)は、今や滅多に話題にさえ上らなくなった私のしごと館に触れている。先ず、Infoseekニュースが指摘する現状
  • 悪名高い「私のしごと館」(京都府)が、今月いっぱいで閉館する。厚労省の天下り法人「雇用·能力開発機構」が、サラリーマンの雇用保険料から総建設費581億円を捻出。03年のオープン以来、毎年20億円もの赤字をタレ流し、その補填まで雇用保険料で面倒を見てきた“ムダ遣いの殿堂”である。
はほぼその通りである。「ほぼ」と書いたのは、雇用保険の中で職業訓練等に使う事を想定した雇用主負担分が私のしごと館に費やされている為であり、必ずしも天引き分ではないからだ。それでも税金を注ぎ込んでいると叫ぶよりは遥かにましだ。
  • 政権交代により、長妻厚労相が「今年8月末まで」とした麻生政権の廃止方針を一刀両断で今月末に前倒しした。
  • 「官のムダの象徴」が廃止になるのは当然のことだが、厄介なのは廃止で一件落着しないこと。
筆者もこの通り、私のしごと館は廃止すべきだと思うが、それは単なる無駄だからではない。私のしごと館は青少年を対象とした職業の疑似体験施設、換言すると教育の場であるから、そもそも赤字が問題視される施設ではないとする擁護論がある。だが上述の様に私のしごと館は雇用保険で運営されて来た。ここで重要なのは雇用保険法であり、同法は62条に於いて雇用保険で行う事業の対象者を「被保険者、被保険者であった者、被保険者になろうとする者」と定めている。

従って青少年全般を相手にする私のしごと館は、雇用保険の使い道としては逸脱である。

公務員や政治家のちょっとした不祥事に飛び付くマスコミも、こんな批判はしていない。何故だろうか。

廃止後、売れないかもしれない今後の問題
  • 今後、敷地面積8万3581平方メートル、建物の延べ床面積3万5939平方メートルもの広大な施設は売りに出されるが、一筋縄ではいかない。買い手がつかず、広大な廃虚になる恐れがあるからだ。
はその通り。私のしごと館と国立国会図書館との間にも広大な空き地が広がっている。よって
  • 入札を担当する厚労省職業能力開発局育成支援課は「できる限り、高く売却したい。夏前をメドに入札公告を実施する」と言うが、見切り発車で売りに出しても、買い叩かれる材料はてんこ盛りだ。
とあるが「高く売却」は夢物語。今の景気からすれば民間企業が手を挙げる可能性は低いが、それだけではない。仮に公的な研究機関を誘致する場合でも、土地は無償提供するとか、かなり有利な条件を出す必要がある。神戸ポートアイランドに理研が建設中の次世代スーパーコンピュータもそうだった。売る決断しか出来ない現状を見ると、国は国自身とは付き合い下手に思えて来るが、3/18に挙げた様に、宅地か中小企業用地に用途変更すれば売れるかもしれない。商業施設は周辺に増えており、これ以上必要ない。
 
こちら(nna.jp/free/news/20091117inr001A.html)はインドとの連携の話題だが、要点を抜き出すと、
  • 6日には、在日インド企業が加盟するインドITクラブが、在日本インド大使館などの支援を受けてセミナーを実施。
  • インドのIT企業の日本への進出は年々増加。インドITクラブの加盟企業数は2000年の活動開始時には44社だったが、現在では170社を超えている。
  • しかし、ほとんどが東京や横浜といった首都圏に集中しており、関西に立地するのは十数社と、インド企業の誘致で後れを取っているのが現状だ。
となる。昨年11/6にセミナーがあった模様だ。成長の著しい国(の企業)であれば、研究開発用地として食指を伸ばすかもしれない。
 
 
学研都市の発展
2010年3月18日(木)
Infoseek
今日は曇一時雨。ここ最近の筆者の日記は、私のしごと館に始まるけいはんな地区の動向日記になっている。
 
読売(www.yomiuri.co.jp/e-japan/kyoto/news/20100318-OYT8T00019.htm)は「学研発展へ知恵絞る」と題し、けいはんな、即ち関西文化学術研究都市の発展に良い知恵のない現状を報告している。先ず、研究向け賃貸ビルやイベントホールが一体となった施設·けいはんなプラザの破綻の関し、
  • 府や大阪、奈良3府県でつくる第3セクターが1993年から運営していたが、累積赤字が約89億円に達して破綻(はたん)、2007年に民事再生法が適用された。同社に出資していた府は08年、13階建て研究用賃貸ビル·ラボ棟や1000人収容のメーンホールなどを引き取って、固定資産税を払わずにすむようにし、同社に運営を委託した。
と触れている箇所。この第3セクターとは(株)けいはんなであるが、破綻前から地域のイベントを紹介する様な役割が(株)けいはんなから(財)関西文化学術研究都市推進機構に移って来ており、筆者も何となく、余力がなくなって来たのではないか、と感じていた。最近でも、ヒューマンエルキューブ華やかなりし頃に設立された新産業創出創出交流センターが、(株)けいはんなの傘下から出て、(財)関西文化学術研究都市推進機構の部署となった。(株)けいはんな(株)けいはんなに運営のみを行わせる事で支出を減らす戦略だが、
  • ホールの稼働率は再建後も低く、今年度は月平均で12.9〜36%。府から年2500万円の管理費を支給されてもなお、ホール部分は2400万円の赤字になる見込みだ。栗山和郎社長(61)は「需要が伸びず、運営は厳しい」として、今後、府に管理費の増額を要請するという。
とあるので、収入増は見込めない様子である。実際、けいはんな関連のイベントも大阪市内で開催される事が多い。更に、
  • プラザの南東に厚生労働省所管の独立行政法人が03年に建設した職業体験施設「私のしごと館」も赤字運営が続き、今年3月に営業を終える。活用方法は未定で、4月以降に一般競争入札で売却される。
とあるが、後述の様にけいはんな地区には空き地が多くそもそも買い手が現れるかどうか、微妙だ。
 
こうした沈滞状況を脱する1つのやり方が、宅地への転換である。読売の記事には
  • 京阪電鉄、三井不動産、野村不動産の3社が99年から3年間で約1100戸を建設、分譲した精華台地区。一戸建てに住む主婦(62)は「とても人気があり、抽選に当たって購入できた。大阪まで通勤圏内で、公園も自然もあって住みやすい」と話す。3社は所有する研究施設用地の一部を住宅地に変更するよう、01年から府と交渉。府は08年になって、7.9ヘクタールを住宅地に変更し、今年3月に造成工事が始まった。
とあるが、以前からの陸の孤島の様な印象がなくなったのも、精華台地区が整備され、道路も伸びたこの頃だった。もう1つのやり方は規制緩和。読売は触れていないが、純粋な研究にこだわらず、「研究+生産」を行う施設も認める規制緩和を行った所、中小企業が続々と進出し始め、今ではけいはんな地区の施設の総数は100を超えている。逆にそうした事を行わないと、国立国会図書館と私のしごと館の間の土地がそうである様に、何時迄経っても更地のまま、埋まらない事態が起こる。そして必ずしも施設の立地には結び付かないが、活性化の有力な手段が実証実験である。続けよう。
 
上は京都新聞(www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P20100318000053&genre=H1&area=K20)、下は産経(sankei.jp.msn.com/science/science/100318/scn1003180002000-n1.htm)。家庭から出る可燃ごみを高温の水蒸気で分解し、燃料ガスと炭化物に変えるシステムの話題である。ごみ収集車も電気自動車だ。けいはんなは元々、奥田東(京大元総長)がローマクラブの「成長の限界」にショックを受けた事が契機となって開発された地域だとされる場合が多い。これに前後して現れた河野卓男や梅棹忠夫の構想も合流し、既存の平城ニュータウンを併呑しつつ、街になってゆく。成長の限界が何故、地域開発に結び付くのか不思議だが、けいはんなにあるRITEや国際高等研究所が奥田東の感じた何かを具現化した研究機関である事は疑う余地の無い事実である。従ってこうした省エネ·CO2抑制の実証実験も、けいはんな地区に相応しい活動の1つである。
 
最後に、自宅付近のとある場所から見えるけいはんなプラザを以って、今日の日記を終えよう。